最近、WordPressのお問合せフォームからのメールがGmailに届かない問題に直面しました。Yahooメールでは問題なく受信できるのに、Gmailでは受信できないという現象です。
そこで、解決方法を調べた結果、WordPressから送信されるメールをGmailのSMTPサーバー経由で送信するために、Gmail APIとWP Mail SMTPプラグインを設定し、より安全で確実なメール送信を実現する方法を見つけました。
この設定により、問題を解決できましたので、今回はその方法を詳しく解説します。
WordPressからGmailへメールが届かない原因
WordPressからGmailへメールが届かない原因として、Gmailがそのメールを「なりすましメール」として認識し、ブロックしている可能性が考えられます。
多くのWordPressサイトではPHPのmail()関数を使ってメールを送信していますが、PHPのmail()関数では送信者の認証が不十分なため、Gmailのようなセキュリティが厳しいサービスでは、スパムフィルタやなりすまし検出システムによって、信頼性が低いメールと見なされることがあるようです。
Gmail APIの設定
WP Mail SMTPプラグインを使用してGmail経由でメールを送信するには、まずGmail APIの設定が必要です。以下の手順で進めていきます。
1. Google Cloudプロジェクトの作成
Google Cloud Consoleにアクセスし、Googleアカウントでログインして、利用規約に同意します。
「プロジェクトを選択」、「新しいプロジェクトを作成」をクリックしてプロジェクトを作成します。
2. Gmail APIの有効化
作成したプロジェクトを選択した状態で、左側のメニューから「APIとサービス」 > 「ライブラリ」をクリックします。
検索ボックスに「Gmail API」と入力し、表示された「Gmail API」を選択します。
「有効にする」ボタンをクリックしてGmail APIを有効化します。
3. Gmail APIの認証情報を作成
左側のメニューから「認証情報」をクリックし、「認証情報を作成」ボタンを選びます。
「ユーザーデータ」を選択し、「次へ」をクリックします。
「アプリ名」、「ユーザーサポートメール」「メールアドレス」を入力し「保存して次へ」をクリックします。
スコープは省略可となっているのでそのまま「保存して次へ」をクリックします。
OAuth クライアントIDの「アプリケーションの種類」で「ウェブアプリケーション」を選びます。
承認済みリダイレクト URLに下記のURLを入力して「作成」をクリックします。
https://connect.wpmailsmtp.com/google/
OAuth 同意画面から「アプリを公開」をクリックします。
「本番環境に push しますか?」と表示されたら「確認」をクリックします。
左側のメニューから「認証情報」をクリックし、作成した「ウェブ クライアント 1」をクリックし、作成された認証情報(クライアントID & クライアント シークレット)をコピーして保存します。
WP Mail SMTPプラグインのインストールと設定
Gmail APIの設定が完了したら、次にWP Mail SMTPプラグインをインストールし、設定を行います。
1. WP Mail SMTPプラグインのインストール
- WordPressの管理画面にアクセスし、左側のメニューから「プラグイン」 > 「新規プラグインを追加」をクリックします。
- 検索ボックスに「WP Mail SMTP」と入力し、表示されたプラグインを「今すぐインストール」ボタンをクリックしてインストールします。
- インストールが完了したら「有効化」をクリックします。
2. WP Mail SMTPプラグインの設定
- プラグインを有効化した後、WordPressの管理画面の左側のメニューから「WP Mail SMTP」 > 「設定」に移動します。
- 「送信元メールアドレス」欄に、WordPressから送信されるメールの送信元として使用するGmailアドレスを入力します。
- 「送信元メールアドレスを強制使用」にチェックを入れる。
- 「送信者名」欄には、送信者名として表示される名前を入力します。例:「サイト名」や「管理者名」。
- 「メーラー」セクションで「Google / Gmail」を選択します。
- Gmail API設定時に作成した「クライアントID」と「クライアントシークレット」を入力します。
- 必要な情報を入力し終えたら、「設定を保存」ボタンをクリックして変更内容を保存します。
- 「認証」セクションに「あなたの Google アカウントを使用したメール送信をプラグインに許可する」ボタンが現れるのでクリックします。
Google アカウントのアクセス許可の画面では以下の警告画面が出ますので、画像を参考に進めます。
「詳細」をクリックします。
「wpmailsmtp.com(安全ではないページ)に移動」をクリックします。
「続行」をクリックします。
3. テストメールの送信
設定が完了したら、正しく動作しているかを確認するためにテストメールを送信します。
WordPressの管理画面の左側のメニューから「WP Mail SMTP」> 「ツール」 > 「メールテスト」に移動し、テストメールを送信します。送信されたメールがGmailの受信トレイに届いているか確認してください。
まとめ
GmailがWordPressからのメールを受信できない場合、WP Mail SMTPプラグインを使用してGmail APIを設定することで、この問題を解決できます。セキュリティが厳しいGmailでも、適切な認証情報を使用することで、メールの送信が確実に行われるようになります。
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