先日リリースされたmacOS「Catalina」で新しく追加された新機能「Sidecar」ですが、対応機種は一部の機種に限定され多くのMac、iPadではSidecarが使えない状況です。
私が使用している「MacBook Air 2017」もSidecar非対応でした…。Sidecarを使ってみたかったので、これはかなりショック…。
しかし、Sidecar非対応MacでもSidecarを使えるようにするSidecarPatcherというものがあることを知り、「MacBook Air 2017」でSidecarPatcherを試してみたら、Sidecar機能を使用することができるようになりました。
この記事ではSidecarPatcherの利用方法と、SidecarPatcher適用後に元に戻す方法について、備忘録も兼ねて画像付きでかなり丁寧にまとめておきます。
SidecarPatcherの適用方法
この作業を行うには「Xcode」をインストールし、ログインしておく必要があります。
①SidecarCoreファイルのバックアップを作成
/System/Library/PrivateFrameworks/SidecarCore.framework/Versions/A/SidecarCore
上記パスの「SidecarCore」というファイルを別のフォルダにバックアップします。
これがないと元に戻せなくなってしまいます。
まずはFinderを開いて上の「移動」メニューから「コンピューター」を選択。
「システム」フォルダを開く。
「ライブラリ」フォルダを開く。
「PrivateFrameworks」フォルダを開く。
「SidecarCore.framework」フォルダを開く。
「Versions」フォルダを開く。
「A」フォルダを開く。
ようやく「SidecarCore」ファイルが出てきました。
これをバックアップしておきます。
私はダウンロードフォルダ内に「Sidecarバックアップ」というフォルダを作成し、その中へ「SidecarCore」のファイルをコピーしておきました。
②System Integrity Protectionを無効にする
Macのシステムファイルの改竄を防ぐシステム整合性保護(System Integrity Protection: SIP)を一時的に無効にする必要があります。
「🍎メニュー」から「再起動」を選択します。
画面が真っ黒になったと同時に「command」と「R」のキーを同時に長押します。
りんごマークが出るまで長押ししてください。
ここまでくればキーは離してOK。
このような画面が出たらログインします。
「ユーティリティ」メニューから「ターミナル」を選択。
csrutil disable
と入力して「Enter」を押します。
「🍎メニュー」から「再起動」を選択します。
Macが再起動したら「ターミナル」を起動して、システム整合性保護(System Integrity Protection: SIP)が無効化されたか確認しましょう。
csrutil status
と入力して
disabled
と表示されればOKです。
③SidecarPatcherをダウンロードします
↑ここから最新版の「SidecarPatcher.zip」をダウンロードします。
ダウンロードして「SidecarPatcher.zip」を開くと、「SidecarPatcher」が出てきます。
④コマンドを実行
まず、ターミナルに
chmod +x
と入力して「SidecarPatcher」をターミナル上にドラッグアンドドロップします。
するとパスが入力されますので、「Enter」を押します。
次に、ターミナルに
sudo
と入力して「SidecarPatcher」をターミナル上にドラッグアンドドロップします。
「Enter」を押します。
パスワードを入力します。
⑤再起動すればSidecarが現れる
システム環境設定に「Sidecar」のアイコンが現れました。
非対応Macの場合は有線接続の場合のみ利用できるようです。
無線接続ではエラーが出て接続できませんでした。
なんとかSidecar非対応MacでもSidecarを利用することができるようになりました。
しかし、Sidecar非対応Macでは画質が悪く、iPadに写った映像がちらつきます。
まともに使用することは厳しそうな様子です。
Sidecar非対応Macでは「Duet Display」や「Luna Display」を使用する方が良さそうです。
作業後はシステム整合性保護(System Integrity Protection: SIP)を有効にしておきましょう。
②System Integrity Protectionを無効にするで
csrutil disable
と入力したところを
csrutil enable
と入力すればOKです。
SidecarPatcherを元に戻す方法
SidecarPatcherを適用したあと、Sidecar適用前の状態に戻す方法を解説します。
①System Integrity Protectionを無効にする
②System Integrity Protectionを無効にするで解説しているのでそちらをご覧ください。
②コマンドを実行
ターミナルに
sudo mount -uw /
と入力して「Enter」を押します。
パスワードを入力して「Enter」を押します。
ターミナルに
sudo cp
と入力してバックアップしておいたSidecarCore(コピー元パス)をドラッグアンドドロップしてパスを入力します。
続けてSidecarCoreのパス
/System/Library/PrivateFrameworks/SidecarCore.framework/Versions/A/SidecarCore
(コピー先パス)を入力して「Enter」を押します。
sudo codesign -f -s- /System/Library/PrivateFrameworks/SidecarCore.framework/Versions/A/SidecarCore
と入力して「Enter」を押します。
sudo chmod 755 /System/Library/PrivateFrameworks/SidecarCore.framework/Versions/A/SidecarCore
と入力して「Enter」を押します。
③再起動すれば元に戻ります
これでSidecarが無効になりました。
システム環境設定から「Sidecar」のアイコンが無くなっていれば成功です。
作業後はシステム整合性保護(System Integrity Protection: SIP)を有効にしておきましょう。
②System Integrity Protectionを無効にするで
csrutil disable
と入力したところを
csrutil enable
と入力すればOKです。
〆
今回は、Sidecar非対応のMacでSidecarの機能を使えるようにするためのツールSidecarPatcherの使い方を画像付きで詳しくまとめてみました。
Sidecar非対応のMac「MacBook Air 2017」とSidecar非対応のiPad「iPad Air2」の組み合わせでもSidecarを利用することができるようになりました。
しかしSidecar非対応MacでのSidecarでは画面のちらつきがありますし、画質がよくないです。
画質が気になる方は、Sidecar非対応Macでは「Duet Display」や「Luna Display」を使用する方が良さそうです。
それではまた( ^_^)/~~~
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