こんにちは、しょうたです。
2020年10月31日にDJIからOsmo Pocketの後継機種、DJI Pocket 2が発売されました!
Osmo Pocketといえば約2年半前の2018年11月29日に発売された、DJI史上最小の3軸スタビライザー搭載のハンドヘルドカメラです。
Osmo Pocketはその名のとおり、ポケットにしまえるサイズ感なのにもかかわらず、すぐに取り出してジンバル搭載カメラならではのブレないぬるぬる高品質な動画を撮影できるのが特徴。
私はOsmo Pocketを発売当初から愛用しており、Vlogを撮ったり、ドイツ出張の際に持っていったりと使いやすくて大変気に入っているビデオカメラです。
今回は、DJI Pocket 2 VS Osmo Pocketと題して両機種の性能を項目ごとに徹底比較してみようと思います。項目は画角、暗所性能、静止画解像度、スローモーション、音質の5項目としました。
実際にOsmo Pocket と DJI Pocket 2の両機種で撮影した映像や音声を比較し動画を掲載していますので、これからOsmo Pocket または DJI Pocket 2の購入を考えている方や、既にOsmo Pocketを所有している方でDJI Pocket 2への買い替えを検討している方は参考にしてみてください。
カタログスペックを比較して性能の違いを見つける
まずは、DJI Pocket 2 と Osmo Pocket のカタログスペックを比較して性能の違いを見つけ、撮影素材を比較する評価項目を絞り込んでいきます。
それぞれのカタログを比較して、スペックが優っている方の文字を赤字にしてわかりやすく表示しました。
カタログを見比べるとわかりますが、DJI Pocket 2の方が、価格以外の撮影に関わるほぼ全ての項目で性能が優れていると言えます。
DJI Pocket 2 | Osmo Pocket | ||
---|---|---|---|
商品リンク | Amazon | ||
特徴 | ポケットサイズ 3軸手ブレ補正搭載カメラ ActiveTrack 3.0 DJI マトリックス ステレオ | ポケットサイズ 3軸手ブレ補正搭載カメラ ActiveTrack | |
一般 | サイズ | 124.7×38.1×30 mm | 121.9×36.9×28.6 mm |
重量 | 117 g | 116 g | |
価格 | 49,500円 | 45,650円 | |
カメラ | センサー | 1/1.7インチCMOS 有効画素数:64 MP | 1/2.3インチCMOS 有効画素数:12 MP |
レンズ | FOV 93° F1.8 焦点距離:20 mm(35mm版換算) | FOV 80° F2.0 焦点距離:26 mm(35mm版換算) | |
ISO感度 | 静止画:100〜6400 (16 MP) 100〜3200 (64 MP) 動画:100〜6400 スローモーション:100~3200 | 静止画:100〜3200 動画:100~3200 | |
電子シャッター速度 | 8~1/8000 秒 | 8秒~1/8000秒 | |
最大静止画サイズ | 9216×6912 ピクセル | 4000×3000 ピクセル | |
静止画モード | シングルショット:16 MP、64 MP カウントダウン:3、5、7秒 パノラマ:3×3、180° | シングルショット:12 MP カウントダウン:3、5、7秒 パノラマ:3×3、180° | |
動画解像度 | 4K Ultra HD:3840×2160 @ 24/25/30/48/50/60fps 2.7K:2720×1530 @ 24/25/30/48/50/60fps FHD:1920×1080 @ 24/25/30/48/50/60fps | 4K Ultra HD:3840×2160 @ 24/25/30/48/50/60fps 2.7K:2720×1530 @ 24/25/30/48/50/60fps FHD:1920×1080 @ 24/25/30/48/50/60fps | |
HDR動画解像度 | 2.7K:2720×1530 @ 24/25/30fps FHD:1920×1080 @ 24/25/30fps 焦点距離:38 mm | 非対応 | |
動画撮影モード | 動画 HDR動画 スローモーション タイムラプス モーションラプス ハイパーラプス | 動画 スローモーション タイムラプス モーションラプス ハイパーラプス | |
モーションラプス | 左から右 右から左 カスタム動作(最大4点) | カスタム動作(最大4点) | |
スローモーション | 1080p/120fps(4倍) 1080p/240fps(8倍) | 1080p/120fps(4倍) | |
最大動画ビットレート | 100 Mbps | 100 Mbps | |
対応ファイルフォーマット | FAT32 (≤32 GB)/exFAT (>32 GB) | FAT32 (≤32 GB)/exFAT (>32 GB) | |
写真フォーマット | JPEG/DNG | JPEG / JPEG+DNG | |
動画フォーマット | MP4 (MPEG-4 AVC/H.264) | MOV/MP4 (MPEG-4 AVC/H.264) | |
対応SDカード | 最大256 GB SDHC/SDXC UHS-I スピードクラス1またはUHS-I スピードクラス3のmicroSD | 最大256 GB SDHC/SDXC UHS-I スピードクラス1またはUHS-I スピードクラス3のmicroSD | |
オーディオ出力 | 48 KHz、AAC | 48 KHz、AAC | |
アプリ | 名称 | DJI Mimo | DJI Mimo |
OS要件 | iOS 11.0以降 Android 7.0以降 | iOS 11.0以降 Android 7.0以降 | |
ジンバル | 操作可能範囲 | パン: -230°~+70° チルト:-100°〜+50° ロール:±45° | パン: -230°~+50° チルト:-95°〜+50° ロール:±45° |
機械的可動範囲 | パン: -250°~+90° チルト:-180°〜+70° ロール:±90° | パン: -250°~+70° チルト:-120°〜+98° ロール:±90° | |
最大操作速度 | 120°/秒 | 120°/秒 | |
角度ぶれ範囲 | ±0.005° | ±0.005° | |
バッテリー | 種類 | LiPo | LiPo |
容量 | 875 mAh | 875 mAh | |
電力量 | 6.738 Wh | 6.738 Wh | |
電圧 | 7.7 V | 7.7 V | |
最大充電電圧 | 8.8 V | 8.8 V | |
入力電圧 | 5V/2A または 5V/1A | 5V/2A または 5V/1A | |
充電環境温度 | 5℃ ~ 60℃ | 5℃ ~ 60℃ | |
動作環境温度 | 0℃ ~ 40℃ | 0℃ ~ 40℃ | |
駆動時間 | 140分 (1080p/24fpsでの動画撮影時) | 140分 (1080p/30fps動画撮影時) | |
充電時間 | 73分(5V/2A USBアダプターを使用した場合) | 73分(5V/2A USBアダプターを使用した場合) |
両機種のカタログスペックの比較から、Osmo Pocketに比べてDJI Pocket 2の性能が大きく向上した項目として、センサーサイズ、有効画素数、画角(FOV)、ISO感度、最大静止画サイズ、スローモーションが挙げられます。
そして、Osmo Pocketには無いがDJI Pocket 2に追加された機能として、HDR動画撮影機能、DJI マトリックス ステレオが挙げられます。
このことから、下記5項目についてDJI Pocket 2とOsmo Pocketの性能比較を行いました。
- 画角
- 暗所性能
- 静止画
- スローモーション
- 音質(本体内蔵マイク)
DJI Pocket 2 VS Osmo Pocket
画角
DJI Pocket 2 | Osmo Pocket | |
---|---|---|
本体レンズ | FOV 93° F1.8 焦点距離:20mm(35mm版換算) | FOV 80° F2.0 焦点距離:26mm(35mm版換算) |
DJI純正ワイコン | FOV 110° 焦点距離:15mm(35mm版換算) | FOV 90° 焦点距離:22mm(35mm版換算) |
まずは画角の違いです。
Osmo Pocketは26mm(35mm版換算)の画角なのに対して、DJI Pocket 2では20mm(35mm版換算)になりました。
Vlogなどの用途では、自撮りをした際に自分と同時に背景も多く入れられる画角のため、どこにいるのかを伝えやすくて使いやすい画角になりました。
DJI純正ワイコン 広角レンズ
さらに、コンボセットに付属しているDJI純正の広角レンズを使用することで、DJI Pocket 2では15 mm(35 mm判換算)の超広角画角で撮影できます。また、マグネット設計なので、素早く着脱できます。
DJI純正の広角レンズをOsmo Pocketに使用すると22mm(35mm版換算)の広角で撮影できます。それでもワイコン無しのDJI Pocket 2よりも画角が狭いので、このことからもOsmo PocketとDJI Pocket 2の画角の違いがわかります。
【実写比較】画角
実際に両機種を使ってみて、画角に関してはDJI Pocket 2の広い画角の方が使いやすいと感じました。
暗所性能
DJI Pocket 2 | Osmo Pocket | |
---|---|---|
センサー | 1/1.7インチCMOS 有効画素数:64 MP | 1/2.3インチCMOS 有効画素数:12 MP |
ISO感度 | 静止画:100〜6400 (16 MP) 100〜3200 (64 MP) 動画:100〜6400 スローモーション:100~3200 | 静止画:100〜3200 動画:100~3200 |
次は暗所性能の比較です。
センサーサイズに注目してみてみると、Osmo Pocketは1/2.3インチセンサー搭載なのに対して、DJI Pocket 2は1/1.7インチセンサー搭載と、面積が約1.35倍大きくなりました。
大きなセンサーの方が光を多く集めることができるため暗所性能が向上していると思われます。
ISO感度に注目してみると、Osmo Pocketは最高ISO3200ですが、DJI Pocket 2は最高ISO6400となっており、1段階明るく撮影できるようになりました。
【実写比較】暗所性能
実際に夜間撮影してみた映像を比較してみると、Osmo PocketよりDJI Pocket 2の方が明るく撮影できており、暗所性能が向上しているのが一目瞭然です。
静止画
DJI Pocket 2 | Osmo Pocket | |
---|---|---|
センサー | 1/1.7インチCMOS 有効画素数:64 MP | 1/2.3インチCMOS 有効画素数:12 MP |
ISO感度 | 静止画:100〜6400 (16 MP) 100〜3200 (64 MP) 動画:100〜6400 スローモーション:100~3200 | 静止画:100〜3200 動画:100~3200 |
写真フォーマット | JPEG/DNG | JPEG / JPEG+DNG |
静止画解像度はOsmo Pocketが12MPなのに対して、DJI Pocket 2は16MPまたは64MPで撮影できるのでより高解像度な写真を撮影できます。
写真の記録フォーマットは、ROW画像の撮影時に違いがあるようです。
Osmo PocketはROW画像に加えてJPEG画像も同時に記録していたのですが、DJI Pocket 2はROW画像のみの記録になるようです。
DJI Pocket 2の64MPモードはデメリットもある
DJI Pocket 2の64MPモードはデメリットもあるので紹介しておきます。
このように、64MPモードでの画像撮影はデメリットもありますので、基本的には16MPモードを使用し、高解像な画像が必要な時のみ64MPモードを使用するのがおすすめです。
【実写比較】静止画
DJI Pocket 2
Osmo Pocket
画角が異なるので厳密には解像感を比較できませんが、画像中央をクロップしてみました。
この比較、DJI Pocket 2の方が画角が広いため、クロップ率が高くなるので不利なのですが、電線を見るとOsmo Pocketはピクセルが現れてガタガタしているのに対し、DJI Pocket 2の方は解像しているのがわかります。
64MPモードでは繊細な写真が撮影できるようです。
パッと見ではOsmo Pocketの方がコントラストが高くて綺麗に見える気もする…
スローモーション
DJI Pocket 2 | Osmo Pocket | |
---|---|---|
スローモーション | 1080p/120fps(4倍) 1080p/240fps(8倍) | 1080p/120fps(4倍) |
スローモーションですが、カタログスペックを見比べただけでは、1080p/120fps(4倍)は両機種とも同じで1080p/240fps(8倍)がDJI Pocket 2に追加されただけのように見えますが、両機種で撮影可能な1080p/120fps(4倍)にはスペック表からは読み取れない大きな違いがあるんです。
それは画角の違いです。かなり違います。
スローモーション撮影時の画角の違い
それに比べ、DJI Pocket 2のスローモーション(1080p/120fps)は画角が広いので使いやすいです。
また、DJI Pocket 2は1080p/240fps(8倍)が撮影可能なのでさらに表現の幅が広がります。
【実写比較】スローモーション性能
スローモーションは、DJI Pocket 2の方が断然使いやすいです。
音質(本体内蔵マイク)
DJI Pocket 2 | Osmo Pocket | |
---|---|---|
マイクの数 | 4 | 2 |
指向性オーディオ「全方向」 | ○ | ○※ |
指向性オーディオ「前方」 | ○ | ー |
指向性オーディオ「前方後方」 | ○ | ー |
オーディオズーム | ○ | ー |
本体内蔵マイク性能に関してはカタログに載っていなかったので、DJI公式のDJI Pocket 2製品紹介ページより機能を抜粋して表にしてみました。
本体内蔵マイクの数は、Osmo Pocketが2つ(手前、下)なのに対し、DJI Pocket 2は4つ(前、後、左、右)になりました。
これにより指向性オーディオの設定が可能になり、撮影シーンに応じて指向性を、全方位、前方、前方後方の3つから選択できるようになりました。
Osmo Pocketには指向性オーディオの設定項目がないので全方向に「○※」をつけています。
また、ズームインした場合その方向の音声もズームイン(音量アップ)されるオーディオズームという機能も搭載されているようです。
【実写比較】音質(本体内蔵マイク)
Osmo PocketとDJI Pocket 2を使って実際に会話している様子を撮影し、指向性オーディオの全方位、前方、前方後方のそれぞれで音質テストを行いました。
Osmo PocketとDJI Pocket 2のどちらとも風ノイズ低減機能を「オン」に設定しています。
※Osmo Pocketに比べてDJI Pocket 2の方が音が小さく録音されるようなので、DJI Pocket 2の音量を編集で+6.0dB大きくしています。
実際に音声を聴き比べてみると、DJI Pocket 2は設定に応じて、集音特性が変化していることがわかります。
例えば、撮影者と被写体の間にカメラがあるインタビューのようなシーンで撮影する場合、DJI Pocket 2の指向性を「前方後方」に設定すると2人の声を聞き取りやすく録音できます。
カタログスペックは読み取れない部分での性能向上も!
Osmo PocketとDJI Pocket 2のカタログスペックを比較しただけではわからない部分で、大きく性能アップした点がありましたのでシェアします。
露出補正のアルゴリズム(露出Auto)
Osmo Pocketに比べDJI Pocket 2では露出Autoでの露出補正のアルゴリズムが大幅に改善されています。これは実際に両方の機種を使ってみないとわかりません。
Osmo Pocketは、明暗差の幅が大きな被写体を撮影した場合、強い光(室内からみた窓越しの明るい外など)に露出が引っ張られ、室内の壁などが暗く撮影されてしまう傾向があります。
これは、私がOsmo Pocketを使っていて不便だなと感じていたところです。
この対策として、都度露出Autoでは露出補正を+0.7〜+1.0に設定したり、露出をマニュアルに設定して使用していました。
DJI Pocket 2ではこの露出Autoでの露出補正のアルゴリズムが大幅に改善されており、撮りたい露出に合わせてくれる印象です。
また、DJI Pocket 2はダイナミックレンジが広くなったことも合わさり、白飛びや黒潰れがかなり改善されています。
小型ハンドヘルドカメラであるPocketシリーズで気軽にVlog撮影することを考えると、露出補正のアルゴリズムが改善された点だけでもOsmo PocketよりDJI Pocket 2を購入する価値があると思いますます。
〆 (結論)
性能アップした項目を抜粋し、価格を追加した比較表を作りました。
DJI Pocket 2 | Osmo Pocket | |
---|---|---|
画角 | 焦点距離:20mm | 焦点距離:26mm |
暗所性能 | 1/1.7インチCMOS ISO感度:100〜6400 | 1/2.3インチCMOS ISO感度:100~3200 |
静止画 | 有効画素数:64 MP | 有効画素数:12 MP |
スローモーション | 1080p/240fps(8倍) | 1080p/120fps(4倍) |
質(本体内蔵マイク) | マイクの数:4(前,後,左,右) 指向性オーディオ:対応(全,前,前&後) | マイクの数:2(後,下) |
価格(定価) | 約49,500円 | 約45,732円 |
価格(Amazon) ※2022/05/11の価格 | 約49,500円 | 約36,300円 |
比較した、画角、暗所性能、静止画、スローモーション、音質(本体内蔵マイク)の全ての項目でDJI Pocket 2が上回っていることがわかります。
使用用途が自撮りやVlogであれば画角が広く、暗所に強いのが魅力なDJI Pocket 2を購入するのがおすすめです。
しかし、価格も合わせて比較してみると、Osmo Pocketはコスパに優れており、十分選択肢に入ると思います。両機種の価格差は約13,000円です。
また、それぞれの比較動画を見ていただければわかりますが、基本的な手振れ補正の性能に違いはありません。
Osmo PocketとDJI Pocket 2の比較動画をみていただき、画角の狭さなどのOsmo Pocketの弱点を許容できるのであれば、安く購入できるOsmo Pocketを選ぶのもありだと思います。
結論、DJI Pocket 2がおすすめです。
もし今、私がどちらかの機種を購入するとしたら、Vlog等で自撮りをすることもあり、この価格差であれば間違いなくDJI Pocket 2を購入します。
私がカメラの購入で迷った場合、カメラ性能が原因で撮りたい映像を撮れないのが一番の損失であるとの考えのもと、お財布が許す限り、使いたい性能を全て満たしている機種を購入するようにしています。
Osmo PocketまたはDJI Pocket 2でVlogを楽しんでいきましょう♪
それではまた( ^_^)/~~~
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